何故、これを作ったのか?
謎ではありますが、今となっては「ありがとうございます。」
オリエント好きのMにとって是非とも一度はお店に置きたかった時計の一つ。
それがこの日の丸オリエントです。
カッコイイとは言いません。
けど、何か愛嬌があって気になる。どこか懐かしい。
そしてオリエントさんに怒られそうですが、なんてバカっぽい。(笑)
オリエントのセンスが爆発した1本です。
さて、こちらの時計。
この本にはこう書かれています。
「頑張れニッポン!大人も、子供も応援した東京オリンピック」と。
つまりこのモデルはオリンピックを意識して制作された、記念モデルになります。
なるほど、それで日の丸入りなんですね。
ちなみに、写真のモデルはオリンピア。
今回入荷したのはフレッシュマン。
この2つのモデルは確認していますが、大きな違いはオリンピアの文字盤はミニッツが金色のドット目盛で、フレッシュマンは通常のプリントミニッツ。
また、ムーブメントの石数がフレッシュマンの方が2石少ない19石になります。(それでも十分なんですが。)
2つのモデルで価格を分けて販売していたんですね。
デザインのキモはやっぱりコチラ。
日の丸になります。
赤い部分は人工ルビーで、時計の受け石等に使用される物。
ここに気が付くと、この時計にグ~ンと高級感を感じてきます。
が、そのまんま国旗の形にしなかった所が偉い!
国旗のまんまでは少し偉そうな感じもしますし、さすがに分かりやす過ぎて使いづらそう。
この形にした事で、良い意味で脱力感のある雰囲気を作り出す事に成功しています。(でも後から見ればそう思うだけで、実際はそんな狙いはなかったとは思います。)
もう一つ、気になるのがコチラ。
「MURAKI WATCH COURSE」と書かれています。
これは村木時計株式会社さんの事かと思います。
当時、時計の教材本等も出版されておられ、修理技能士の育成に一役買っていた村木さん。
時計学校があったのかは分かりませんが、もしかしたら講習会みたいな事はやっておられたのかもしれません。
おそらくこの時計は、学校の教材用に使用された時計ではないかと思います。
(ちなみに、村木さんは現在株式会社ムラキとして、最近時計雑誌にもよく登場しているマーヴィンの日本代理店としても有名です。)
1964年と言えば、セイコーのワールドタイムやクロノグラフ。オリエントも64石の多石ムーブメントを搭載した「グランプリ64」や照明付き腕時計「フラッシュ」を発売した年。
現在も名品として評価の高い時計達が次々とデビューした年ですので、日陰にどうしても隠れがちですが、オリエントらしい頭の柔らかい発想が存分に生かされた隠れた名品であると思います。
個人的にはスーツにこれを着けたらお洒落でインパクト抜群かと思うのですがいかがでしょう?
カジュアルでも意外にハマります。
大変珍しいモデルで、文字盤の状態もキレイです。
是非この機会にご検討下さいませ。
オリエント 日の丸
60年代、手巻き
金メッキケース
ケースサイズ36ミリ
オーバーホール済み。
¥37.800-(税込)SOLD