前回より少し時間が経過してしまいましたが、久しぶりのコラムです。
今回はキングセイコーのお話。
諏訪の高級機がグランドセイコーなら、亀戸の高級機はキングセイコーになります。
現行モデルの復活に伴い以前よりもお問い合わせが増えてきているように思います。
もともと良い時計なのはもちろんですが、今や手の届かない位に高騰したモデルもちらほら出てきたグランドセイコー系と比べると比較的価格も現実的な今のうちに手に入れておこうとお考えの方も多いのかもしれません。
実際、キングセイコーも市場で見かける機会は多いのですが、文字盤、ケース、メダルと全ての条件が揃う個体は年々少なくなってきています。
「文字盤キレイ!」「ケースも良い感じ!」でもメダルが無くなってる・・・とかいうのは良くある話です。
メダルに穴が開けば装着感も変わりますし、劣化が進むと見た目的にもあえて外していた方が多かったと聞きます。
今の評価を知れば扱い方も変わりますが、当時の方からすれば自分の時計が平成を越えて令和まで価値が残るなんて思いもしないですよね。
2ndモデルから大きくデザインが変更されたキングセイコー。
ここ数年、評価の高まるファーストモデルですが、当時としてはシンプルすぎて高級機としての説得力に少し欠けた部分もあったのかもしれませんが、ドレスウオッチの人気が高まる昨今、小ぶりなサイズは気分的にも合いますし、国産時計ならではの良い意味での野暮ったさもスイス製の時計には無い魅力です。
2021年復活以降様々なモデルが復刻されていますが、このファーストモデルだけは未だ復刻されていません。
いつかは発売されるとは思うのですが、このシンプルなデザインを高級感を維持しつつ再現するのはある意味一番難しいのかもしれません。
余談ですが、50歳がいよいよ視野に入ってきた私ですが、こうして撮影した画像を見ていると若い頃よりもより一層金の時計が腕に馴染んできたように思います。
本数に余裕があれば自分用に1本欲しくなってきたなぁ~なんて思ってしまう閉店間際です。
それではまた次回。